・ ・ 1 ・ ・
▼イズル 〜izulu〜
 「俺が、ミラを人間に戻すっ。絶対、その方法を見つける」

人族の幼体、男性、実年齢21歳
ギルド子飼いの冒険者として、セクト(弟)と仲間を組む。

イラストの対抗種(ネタバレ)と同じ絵です。
絵を書いてから本文仕上げるまで半年以上…。
長かった。

[2003.6.23]
・ ・ 2 ・ ・
▼ミラ 〜mira〜
 「……ミラ、外に出ていいの?」

 あの子は可哀想な娘だ。
 ほんの数分の差で生まれただけで、
 地下で暮らしているのだから。
 双子の姉は、日の光の下を駆け回っているというのにね。
 あの娘は、じっと板の隙間から空を眺めていたよ。
 でもそれも村のためには仕方の無いことさ。

 彼女は大切な贄なのだから。

 ――――FAMILIAR紹介文より

[2003.11.1]
・ ・ 3 ・ ・
▼ミラ&リマ 〜mira&rima〜
 「これで、ミラにも新しいお古をあげれるね」

 双子の娘が屋根裏で楽しげに遊んでいた。
 喪服のような黒い服。
 少女達の動きに合わせて紫色の髪が揺れた。
 二人は良く似た服を着ていたが、
 片方は金の腕輪をしていた。
 「ねぇ、みてみて、新しいお洋服だよ」
 腕輪をつけた方が、くるりと回って見せた。
 スカートがひるがえり、髪が広がる。
 「うん。リマ、可愛い」
 もう一人は微笑んだ。

 ――――第一夜 海の呼び声より

[2003.11.1]
・ ・ 4 ・ ・
▼イズル&ミラ 〜izulu&mira〜
 「なぁ、ミラ。お前さ、人間だった頃は何してた?」

 少年の問いに、少女は首をかしげた。
 生まれながらなのか、それとも吸血鬼になってからなのか。
 少女はあまりかしこくない。
 「ほら、生粋の吸血鬼とは違うんだろ? だったら家族とか、どんな暮らしをしてたとかさ」
 少年は説明しなおした。
 意図が通じたらしく、少女が微笑む。
 「ミラ、地下で暮らしてた。リマ、遊びに来た」
 少女は得意げに告げた。

 ――――第四夜 ドールの切片より

[2003.11.7]
・ ・ 5 ・ ・
▼ミラ 〜mira〜
 「…あれから10年過ぎたのに、貴女は変わらないんだね」

 イズルの後を追うミラの前に、一人の男が割り込んできた。
 黒いローブの隙間から、馴染みのある顔立ちを覗かせる。
 なぜ、ここに彼がいるのかわからないが、ミラは喜んだ。

 ――――第六夜 終わりの朝より

[2003.12.27]
・ ・ 6 ・ ・
▼イズル&リマ 〜izulu&rima〜
 「ね……痛い? でも大丈夫。すぐに痛みなんて感じなくなるから……」

 イズルの目には、もう少女の瞳しか映らなかった。
 褐色の肌に、白い指が触れる。
 イズルの頬を流れる血に、少女が赤い舌を伸ばした。

 ――――第二夜 死の森より

[2003.12.27]

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